上目黒3丁目の裏道を歩いて。〜中目黒は住宅街も趣深い。〜
私がかれこれ2年、いそいそと通うエステが、中目黒は上目黒3丁目にある。
一軒家エステで雰囲気はアットホーム、実力はたしかでオールハンドで1時間。
みっちり削ってくれる。
「削る」という言葉がぴったりあてはまる。ごりごりぐりぐり。
エステティシャンのお姉さんが全身の体重をかけて削ってくれる。
確かにエステ後の体型はかわっていて(もちろん元に戻るが)、
痛みに耐え抜いた自分にエールを送りたくなる。
そのエステは中目黒駅を出て、7分くらい歩く。
上目黒3丁目の細い道を歩いてたどりつくわけだが、その道がかなりお気に入りな私である。
私のお気に入りポイントは3つある。
正確に言うと3軒ある。
まずは近代的な作りで、建築の雑誌にでてくるかのような一軒家。
大人が10人一列に横に並べるくらいの大きな窓が特徴的で
ふと見上げるとお住いの方の生活を垣間見れてしまう。
なんとそんな大きい窓なのに大胆なことにいつもカーテンをあけてらっしゃる。
さらにいうと、レースのカーテンすらあけっぱなしだ。
その大胆さに、大いなる憧れを抱く私なのである。
家の中だというのにいつもきちんと綺麗なお洋服をまとい、洗練された雰囲気な奥様。
黒いタートルネックに丸メガネ、スティーブジョブズを彷彿とさせる気品溢れる殿方。
きっとお豆からひくタイプのコーヒーとか飲んでんだろうな・・・。
ケーキなんて行きつけの中目黒のケーキ屋さんがあって、
店主の方と家族ぐるみでお付き合いとかされてれるんだろうな・・・。
なあんて妄想が勝手に繰り広げてしまう。
こんな東京の一等地にこんな大きい家を構えて、
敷地内には季節のお花が艶やかに咲いていて。
憧れずにはいられない。
25歳のわたし。
夢を見るのはタダでしょう?
そんな将来の憧れの生活像を脳内で繰り広げていると
隣の隣のお家に目がいく。
こちらはこじんまりとしたお家だが特徴的な点がある。
玄関に大きい黒板を用意して、四季折々のイラストを描いているのだ。
紫陽花の時期は、紫・白・青のチョークを使って、
見事な紫陽花が黒板上に咲き乱れている。
今の季節はひなまつり。
ピンクのチョークを巧みに使ってかわいらしいお雛様がにっこりしている。
エステには月1,2回いくわけだが、高頻度でイラストが変わっている。
アンパンマンなときもあったし、上野動物園のパンダがはやった時は
パンダがかいてあった。時事もチェック済なのである。
アンパンマンが描かれていた時に、きっとこのお家には小さなお子様がいらして
デザイナー業のお父さんのおやすみに、父子の趣味としてこの黒板の絵を更新しているかな。なんて妄想がうまれた。
いまだにイラストを更新しているシーンには遭遇したことないが、
家の前の黒板にも楽しみを見い出すこの家族の余裕というか、
生活に憧れると同時にほっこりするのである。
一軒家で手入れが行き届いているお庭を見ると、家族の中のお手入れ担当の方に敬礼したくなる。こんな素晴らしい景色を無料で見れました。ありがとう、と。
そして尊敬する。お庭に気を配れる生活の余裕さ。
その「尊敬」をこの黒板があるお家にも抱くのである。
そして自分が子供を持ったらこんな休日もいいな、なんてまた妄想が忙しくなる。
そして極め付けにはまさしくお庭の手入れが行き届いた一軒家。
塀が高く一部しか見れないのであるが
四季折々の木や花で通行人を幸せな気分にしてくれる。
いまは結構な量の梅の花が咲く木が見ものだ。
東京のビルが建ち並ぶエリアの一角に住み、ビルしかない街にある会社との往復生活の私には
このお家がいつも次の季節を知らせてくれる。
みかんがなっているときもあるし、
金木犀の時期、このお家の半径5m以内は金木犀の甘い豊かな香りが充満している。
そんな景色や妄想に助けられて7分もあっという間に感じエステに通う。
次来る時は憧れの生活に思いを馳せながら、黒板上に咲く桜、リアルな桜をみれるかな。